【強力な3つの洗剤を徹底比較】パイプの詰まりやニオイ取りには粉末タイプがおすすめ

定期的にパイプ用の洗剤で掃除しているのに排水口からニオイがしたり、パイプの内部が詰まった際には、安いパイプ洗剤では、ほぼ効き目がありません。

洗剤のパッケージに「髪の毛を溶かす」と記載されていると、いかにも汚れが溶けて無くなる。と思って試される方も多いのではないでしょうか?

実際はパイプ内部から発生する悪臭や、詰まりを解消するには長時間洗浄効果が持続し汚れを溶かし続ける必要があります。

そこで最適なのが粉末タイプのパイプ洗浄剤になります。

高性能な粉末タイプのパイプ洗剤は、強力なアルカリ成分で汚れを溶かすだけでなく、発熱と発泡3つの力が加わるため、より効果的に汚れを落とせます。

本記事では、粉末タイプで3つの力が備わった数少ない洗剤の「成分の強さ・発熱力・発泡力」を比較し、どんな方におすすめなのか?

それぞれの特徴や性能の違いを元に、自身に合った洗剤が選べるようになります。

本記事で使用したパイプ洗剤

目次

パイプ掃除には洗浄力の高い粉末タイプを選ぶ

パイプ用洗剤には粉末タイプの他に液体・ジェル・錠剤タイプがあり、形状の違いの他、分解して落とせる汚れが異なります。

一部例外もありますが、例えば

  • 次亜塩によって髪の毛を溶かす液体やジェルタイプ。
  • 発泡の力で汚れを溶かして落とす錠剤タイプ。
  • 成分・発泡・発熱で汚れを落とす粉末タイプ

比較的値段の安い液体やジェルタイプは次亜塩によって髪の毛を溶かすタイプが多く、アルカリ濃度も高いため洗浄力があるように感じるかもしれません。

ですが、汚れに反応して中和するため、洗浄効果の持続性が低いため、蓄積した汚れには効果が低い弱点があります。

また錠剤タイプは発泡により汚れを浮かす作用があるものの、洗浄力が低く水中でしか効果が発揮しない為、洗浄範囲が絞られます。

対して、粉末タイプのパイプ洗剤はアルカリ濃度が高いものが多く、発泡力もあります。

中には発熱し、高温の泡によって汚れを溶かすものもあります。

そのため、成分と熱で溶かし、泡の力で汚れを剥がす粉末タイプがパイプ洗剤では優れているということになります。

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粉末タイプでも洗浄効果の低いものがある

成分濃度・熱・発泡の3つの力が合わさっているからこそ、洗浄力の高い粉末タイプですが、中には成分濃度・発泡の2つの効果しかないものがあります。

発熱しないタイプは熱で溶かす作用がないため、成分で溶かしながら発泡の力で剥がしている状態です。

洗浄効果は少なからずありますが、3つの力がそろったタイプよりも洗浄効果は落ちます。

特に注意したいのは、安価な粉末洗剤で洗浄効果はほぼありません。

  • 中性で発熱せず、発泡だけのタイプ
  • 発熱と発泡はするが、中性のタイプ

中性で発熱せず発泡だけのタイプは、ただ泡がブクブクしているだけなので意味がありません…

(キッチンの油汚れを泡で掃除しているようなものです)

このように、粉末タイプのパイプ洗浄剤を選ぶ際は3つの力が合わさったものを選ぶ必要があります。

優先度は、アルカリ成分濃度発熱力発泡力の順に高いほど、洗浄効果が高い傾向があります。

洗浄力の高い3つのパイプ洗剤の特徴

粉末タイプの中でも強力なアルカリ成分が入っていて、発泡・発熱する以下の3つの洗剤を比較しました。

  • アズマジック パイプ洗浄剤
  • 和協産業 ピーピースルーF 600g
  • リンレイ ウルトラハードクリーナーパイプ用

アズマジック パイプ洗浄剤

ハウスクリーニングのプロが推奨しているアズマジックシリーズのパイプ用洗剤で、強力な洗浄力で汚れを分解し、キッチン・浴室など排水パイプのつまりやニオイを解消します。

1回あたり50gの粉末を使用し、合計4回分に分包されていて扱いやすい洗剤です。

使用する粉末量が少ないため、3つの中では最も低価格です。

他の2つの洗剤との違いは、お湯ではなく、水を使って流すタイプになります。

使い方の注意点には「塩ビ製のパイプは変形する恐れがあるため、お湯を使用しないでください」と表記されていますが、今回は他の洗剤と揃えるために40℃のお湯で試しています。

塩ビ管の耐熱性は60~70度程度なので、40℃程度なら問題なく使用できます。

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和協産業 ピーピースルーF 600g

ピーピースルーFは、作業現場からのフィードバックを元に開発されたプロ仕様の排水管洗浄剤で、ハウスクリーニングのプロや、水道トラブルのプロなどが愛用している「ピーピースルーK」や「ピーピースルー(温水用)」の一般家庭向けタイプです。

強力な発泡と発熱作用を含めた3つの作用により、堆積物を効果的に除去します。

主な特徴は

  • 発泡・・・汚れを側面からはがして、押し流す
  • 発熱・・・汚れを軟化して流れやすくし、溶解を促進
  • アルカリ・・・油脂やタンパク汚れを溶解

ホームセンターや一部のドラッグストアで販売されており、根強い人気のあるパイプ洗剤です。

商品パッケージは業務用感のある洗剤で、1回に使用する粉末量は150gとアズマジックの3倍もあります。

使用時は軽量が必要なので少し手間がかかります。

また他の2つに比べて粉を撒いた際の、粉塵が舞いやすいので目に入らないように注意する必要があります。

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リンレイ ウルトラハードクリーナーパイプ用

ウルトラハードクリーナーシリーズのパイプ用洗剤です。

発熱&発泡パワーで「つまり・ニオイの原因」を除去する強力な粉末タイプで、高濃度なアルカリ成分が長時間汚れに働きかけ、さらに熱で汚れを溶かし、発泡力で汚れを剥がすことで、パイプ内の汚れを徹底除去します。

1回の使用量は120gとピーピースルーよりはやや少ないですが、粉末量としては十分な量があります。

計量カップが付属で付いているので、計測も簡単にできます。

粉を撒いた際に起こる粉塵もほとんどないので安全です。

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洗浄力・発泡力・発熱力の3つを徹底比較

粉末洗剤の特徴である以下の3つを比較しました。

  • 洗浄力(アルカリ成分の強さ)
  • 発泡力(発泡量と発泡の持続時間)
  • 発熱力(化学変化による水温の上昇度)

洗浄力は油分を溶かすために配合されているアルカリ成分の種類や量で比較。

発泡力はビーカーに入れてどのくらい発泡するのか?

また発泡量が優れていても泡切れが早いと効果が弱まるので、泡が残り続ける発泡時間(60分間)を10分刻みで比較しました。

同時に、発熱力は40℃のお湯で溶かした後に10分間隔で温度がどのように変化したのか?

以上の3点を計測しました。

洗浄力(油分分解力)

配合された成分を以下の表にまとめました。

画像・商品名
アズマジック排水パイプ洗浄剤

ピーピースルーF

ウルトラハードクリーナーパイプ用
性質アルカリ性アルカリ性アルカリ性
成分82%けい酸塩・水酸化ナトリウム)、過炭酸ナトリウム、安定化剤、界面活性剤(アルキル硫酸エステルナトリウム)、金属封鎖剤、酵素ケイ酸アルカリ塩85-90%、水酸化ナトリウム5%未満、過炭酸塩5-10%、界面活性剤ケイ酸ナトリウム80-90%、過炭酸ナトリウム10-15%、水酸化ナトリウム(4%)、界面活性剤(アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム1-5%)、工程剤1-5%
1回の使用量50g150g120g
成分による
洗浄力

配合されている成分はどれも同じようなものが入っています。

アズマジックのみ、けい酸塩(82%)以外は成分含有率の記載がないため推測値で判断しています。

油分を溶かすアルカリ剤には水酸化ナトリウムが全てに入っており、含有率はほぼ同じなので成分による洗浄力の差はほぼ無いと思われます。

水に混ざると発熱する性質を持ったアルカリ剤

その他のアルカリ成分には、「けい酸塩・ケイ酸アルカリ塩・ケイ酸ナトリウム」が含まれており、3つとも80%以上の含有率があります。

最も多く入っているのはピーピースルーでケイ酸アルカリ塩は85-90%の含有率と、発熱力はおそらく一番優れているのが数値から読み取れます。

また、発泡性を出すための過炭酸ナトリウム・過炭酸塩も同様に3つとも入っており、発泡力では過炭酸ナトリウム10-15%のウルトラハードクリーナーパイプ用が最も多く含まれています。

アズマジック排水パイプ洗浄剤には他の2つに無い、金属封鎖剤・酵素が入っており、配合成分だけで見るとキッチンの排水口よりは浴室や洗面台のパイプに向いているかもしれません。

発泡力(泡の発生量と持続時間)

ビーカーに各洗剤の使用量0.5回分の粉末を入れ、そこに40℃のお湯を200ml注いで、どのくらい発泡するのか?

時間経過で泡が、どの程度減っていくのかを計測しました。

ピーピースルーで1回分の粉末量で試したところ、ビーカーから泡が大量にあふれ出たので、全て半分の量で試しています。

下記はそれぞれ0.5回分の粉末を入れた状態です。

左から順に0.5回分の粉末が入っています。

0.5回分の粉末量

  • アズマジック パイプ洗浄剤(25g)
  • 和協産業 ピーピースルーF (75g)
  • リンレイ ウルトラハードクリーナーパイプ用(60g)

そこに、キッチンの蛇口からでる最も暖かい温度(ちょうど40℃でした)を200ml注いでみました。

注いだ直後は以下のように、ピーピースルーが最も早く反応し、ビーカーから溢れるくらいの泡が発生

40℃のお湯を注いだ直後

5分経過後は以下のようにピーピースルーは若干増えた程度で、ウルトラハードクリーナーパイプ用はビーカーからこぼれ落ちるほどの発泡となりました。

アズマジックはほぼ発泡せず…というより、粉が溶けるまでの時間がかかり、60分間ほぼ変わらず…

5分経過後

泡の質を比較すると、ウルトラハードクリーナーパイプ用の方がビールのような、より細かい泡が発生しているのが分かります。

泡のきめ細かさはウルトラハードが優れている

ビーカーの底を見ると、ピーピースルーは注いだお湯200mlはそのまま残っているのに対し、ウルトラハードクリーナーパイプ用は50ml程度に減って替わりに泡が発生しました。

左がピーピースルー。右がウルトラハードパイプ用

アズマジックは60分間ほぼ発泡せず…(半分の25gでは少なすぎたのが原因でした)ちなみに1回分(50g)で試すと以下のような発泡でした

アズマジック1回分の粉末。5分後の状態。

以降は10分毎の状態を合計60分間分、撮影したものです。

お湯を注いで10分後

10分後になると、ピーピースルーは早くも泡が減り始めます。対してウルトラハードは5分前とほぼ変わらず。ビーカーから垂れた泡も消えずに残っている状態です。

お湯を注いで20分後

20分経過すると、ピーピースルーの泡はMAX時の3分の1にまで減少。ウルトラハードは若干減ったものの、ほとんど変わらず。

お湯を注いで30分後

30分後からのピーピースルーは若干泡が減っていくものの、60分後も同じような泡の状態で残っていました。

ウルトラハードはまだまだ残っています。(中心部の泡が減っているのは、温度計を差し込んだことが原因です。)

基本的には30分経過したこのタイミングで水を流して掃除完了となります。

お湯を注いで40分後

今回は泡持ちの検証なので、60分間は続けます。

お湯を注いで50分後
お湯を注いで60分後

ピーピースルーのパッケージには30~60分放置して水で流すと記載されており、写真のようにお湯を注いで30分以降は泡の量がほとんど減らないので、汚れをしっかり落としたい方は60分放置した方がより効果的だと思います。

このように、発泡力ではウルトラハードが圧倒的に優れているのが分かりました。

次は油分を溶かすための、発熱力を検証します。

発熱力(温度上昇と温度保持力)

先ほどの発泡時間と同時に、発熱温度がどのくらいになるのか計測しました。

下のグラフは経過時間と供にお湯の温度がどのように変化したかをまとめたものです。

※アズマジックは20℃以下の水で使用するように記載されていますが、他のものと同じ環境化に合わせるために同じ40℃のお湯で試しています。

40℃のお湯を入れて5分経過後から計測したもの

グラフを見た通り、発熱が最も優れているのはピーピースルーで5分後には60℃まで上昇しました。

若干温度が下がるものの、ウルトラハードも高い推移で温度が上がりました。

商品画像・品名
アズマジック

ピーピースルー

ウルトラハード
注いだお湯40℃40℃40℃
5分後44℃60℃56℃
10分後42℃58℃54℃
20分後38℃54℃50℃
30分後36℃48℃46℃
40分後34℃46℃44℃
50分後32℃44℃42℃
60分後30℃40℃39℃
各製品の比較

アズマジックは20℃の水が40℃まで上昇するようですが、40℃のお湯ではほとんど変わらない結果でした。

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粉末タイプでおすすめのパイプ洗剤

成分の強さ・発泡・発熱の3つを検証した結果、成分はほとんど変わらず。

発泡はウルトラハードパイプ用。発熱ならピーピースルーが優れていることが分かりました。

また、アズマジックは他の2つが優れているため、性能が低いように思えるかもしれませんが、パイプ洗剤の中では性能は高い部類なので、悪いというわけではありません。

ピーピースルーとウルトラハードは発熱・発泡力が違うものの、好みに合わせて選んでみるのもいいかと思います。

熱で溶かすなら「ピーピースルー」がおすすめ

40℃のお湯で60℃まで上昇し、3つの中では最も発熱力が高いため、食用油系の汚れが付きやすいキッチンのパイプ掃除に最適です。

デメリットは粉の計測が必要な点と、撒いた際に粉塵が舞うため、注意が必要です。

使いやすさ・発泡で長時間溶かすなら「ウルトラハードパイプ用」がおすすめ

全体的に優れた性能があるため、キッチン・浴室・洗面台などオールマイティーに使用できます

特に発泡力が優れており、細かい泡がパイプ内の隅々までいきわたって洗浄してくれます。

また軽量カップが付属されているので手軽に計測でき、粉塵が舞いにくいため、一般の方でも使いやすいのでおすすめです。

浴室・洗面台には「アズマジック」がおすすめ

発熱・発泡は他の2つに比べて落ちるものの、性能は決して低いわけではありません。

値段が安い点や、粉末は分包されているので袋を破いて撒くだけなので軽量する手間もかからず、最も手軽に使用できます。

特徴的なのはお風呂用洗剤に多く使用されている金属封鎖剤や、酵素が配合されているので、浴室・洗面台のパイプにも有効です。

酵素によって洗浄力を増しているので、キッチンのパイプにも効果があります。

パイプが詰まった場合の対処方法

パイプが詰まった際の対処法は以下の3つです。

粉末洗剤を使用する

トイレの詰まりは対象外ですが、本記事で紹介した粉末タイプの洗剤で解決する場合もあります。

アズマジックやピーピースルーは一晩放置すると効果的です。

※ウルトラハードは放置しないように記載されています。

詰まりを解消させる器具を使う

ブラシ付きのワイヤークリーナーや真空パイプクリーナーなど、安いものなら1,000円程度でありますが、初めて使用する素人では上手くいかないことも…

真空パイプクリーナーには中には3,000円以上するものもあります。

業者を呼ぶ

自身では上手くいかないときは水回りのトラブル専門の業者に依頼しましょう。

本記事で紹介したピーピースルーのさらに強力タイプなど、一般では購入できない業務用の洗剤や専用器具を用いて解決してくれます。

以前トイレに猫砂を詰まらせてしまい、水が流れなくなった際に業者を呼んだ際は「ピーピースルーK」と専用器具を使って解決してくれました。

まとめ:悩んだら使用場所や使いやすさで選ぶ

粉末タイプの強力なパイプ洗剤の比較検証をしました。

再度、各性能をまとめると以下の結果です。

スクロールできます
商品
商品名
主成分
成分の強さ
発熱発泡使いやすさ価格リンク

アズマジック排水パイプ洗浄剤
ケイ酸アルカリ塩、水酸化ナトリウム20℃上昇
お湯の使用不可
988円 Amazon 楽天 Yahoo

ピーピースルー
ケイ酸アルカリ塩、水酸化ナトリウム40℃から
60℃に発熱
1,511円 Amazon 楽天 Yahoo

ウルトラハードクリーナーパイプ用
ケイ酸ナトリウム
水酸化ナトリウム
40℃から
60℃に発熱
1,227円 Amazon 楽天 Yahoo
価格は2024年3月22日時点でのAmazonを参照

使用する場所や、求める効果・販売価格を元に自身にあった洗剤を使用してみてください。

本記事で紹介したパイプ洗剤

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