キッチンシンクを耐水ペーパーや研磨パッドで削って鏡面磨きにしてみた。とYouTubeでよく目にするので一度やってみようと思い挑戦しました。
シンクを磨くにあたって、調べた結果。
研磨には3つのやり方があります。
- 耐水ペーパーで磨く
- 研磨シート(スポンジタイプ)で磨く
- 研磨剤で磨く
耐水ペーパーや研磨シートは手で磨く必要がありますが、研磨剤(コンパウンド)ならインパクトドライバーのような電動工具を使えばラクにできます。
幸いなことに自宅にインパクトドライバーがあったので、当然活用しましたが…
やり方を間違っており、大失敗…
失敗した過程や、傷ついた際にどのように対処したか?なども合わせて紹介しています。
- 今回どのようにして失敗したのか?
- 実際にやってみて分かったこと
- 失敗した原因は何だったのか?
- 研磨に注意すべき点
- 正しい方法は何だったのか?
初めてキッチンシンクを磨こうと考えている、全ての方に当てはまる内容ですので、今回の失敗例を参考にしていただけると幸いです。
今回キッチンシンクを研磨した方法
耐水ペーパーや研磨スポンジで削る場合、低コストでできるメリットがある反面、手作業になってしまいます。
番手を変えて最低でも約30分以上は削り続ける必要があり、大変なので今回はインパクトドライバーを使って研磨しました。
キッチンシンクを磨くために使用した道具
使用した物は以下の8個です。
ただし、3Mコンパウンドトライアルキットを使うなら、ピカールは使わなくていいかもしれません。
- インパクトドライバー
- 先端パーツ用取付金具
- サンダーバフ#600
- フェルトバフ
- 3Mコンパウンドトライアルキット
- ピカール(今回は無くてもいい)
- 養生テープ
- ゴム手袋
インパクトドライバーを使用するため、先端にバフを付けるための取り付け金具を別途購入し、メインとなる研磨剤は自動車のボディ磨きに使用される3Mのコンパウンドを用意。
後々写真もでてきますが、研磨剤が飛び散って汚さない為の養生テープや、手に削りカスが付かないように、ゴム手袋は必須です。
3M コンパウンドトライアルキットの特徴
今回使用した中で、メインとなる研磨剤です。※実はキッチン用ではありませんが…
主に自動車のボディを磨くためのコンパウンドで、キッチンシンクよりもデリケートな自動車のボディが磨けるほどの超微粒子の研磨剤なのでピカピカになるはずです。
「3Mコンパウンドトライアルキット」は既に販売されている750ml品のお試しサイズとして小容量にし、3本をキット化した製品です。
750mlも研磨剤があると使い切るのに何年かかるかわからないですが、200g未満と少量なのでキッチンシンクのサイズにピッタリだと思います。
3本セットの中身は「ハード・1-L 5982M」「ハード・2-L 5985M」「ウルトラフィーナプレミアム5949M」が入っており、それぞれの特徴は以下になります。
ハード・1-L 5982M
超硬研磨粒子を使用しており、優れた切削性を発揮します。
淡色車(白やシルバー系の色)であれば、このコンパウンドだけで仕上がるほど、すばらしいツヤが得られます。
P2000程度(耐水ペーパーの#2000番と同じ)のペーパー目を取り除くことができ、ノンシリコン・ノンワックスとなっています。
石油系溶剤が入っていない為、ニオイが少ないです。また磨きキズの状態が油分で隠れないため、削れ具合が確認しやすく、油分を洗い流す手間が省けます。デメリットは研磨剤が伸ばしにくいこと。
ハード・2-L 5985M
超微粒子ですが、研磨力が優れています。
スポンジバフとの組み合わせで使用し、P4000(耐水ペーパーの#4000番と同じ)のキズが除去できます。
バフ目・コンパウンド目を消す能力に優れ、艶が得られ、ノンシリコン・ノンワックスとなっています。
ピカールの番手は#4000~5000なのでほぼ同じくらい磨けます。
ウルトラフィーナプレミアム5949M
※今回は使用していません。
淡色車(キズが目立ちにくい白やシルバー)から濃色車(キズの目立つ黒など)、耐スリ傷性クリアまで、幅広い塗膜を効率的に仕上げることのできるハイパフォーマンスコンパウンドです。
レクサスに使用されており、塗膜が破壊されにくく、変形した場合でも復元する特性を持つ特殊なクリアー塗装のこと
持続する研磨力が特長で、バフでの拭き上げが早くツヤが出てからも研磨力が持続します。
仕上がりの様子を目で見て確実に確認出来るため、磨き残しや磨きすぎを防ぎ、効率的な作業を可能にします。
3M コンパウンドトライアルキットの口コミ
Amazonの口コミを見ると、レビュー評価は4.4もあり、評価件数は4000件以上。(2024年2月29日時点)
車に使用した感想がほとんどですが、初心者でもキレイにできる。といった内容が多いです。
各少要量のお試しセットです。
引用:Amazon
高評価のメーカーなので品質は問題有りません。
次回は通常品を買います。
手磨きからポリッシャーまで使えますね。
お勧めです。
車のボディとピアノブラックのパネルを軽く磨いてみました。細かい傷が消え、大変喜んでいます。購入して正解でした。
引用:Amazon
車のボディにRYOBIのマシンで使ったが、驚くほどきれいになる。
引用:Amazon
素人でもこれだけきれいになるのであれば、素晴らしい商品
ポリッシャーのバフへ「小さじ1杯程度付けて使用する」と書いてありその通りにしてますが、
伸びの範囲がある程度広くとても使いやすいです。
引用:Amazon
今までホームセンターで売っている安いものでやっていましたが、やはり仕上がりが違います。安物のコンパウンドで何回かするより、3Mのもので一回で仕上げるほうが、塗装面にもいい気がしました。
引用:Amazon
初めて使うにはとてもいいです。やっぱり3Mが1番いいと思います。綺麗に傷も消えますよ。おすすめできます。
引用:Amazon
評価が高く、初心者でもキレイにできるとの口コミがあったので期待して使ってみました
インパクトドライバーで研磨する
磨く前の状態と下準備
いきなり研磨を始める前に、まず汚れを取ります。
弱アルカリ性の洗剤(今回は食器洗剤のJOYを使用)で軽度の油汚れを取り、酸性洗剤で水垢を落としました。
水を拭き取るとパッと見はキレイに見えますが、部分的に汚れています。
シンク右側の側面にはうっすらとシミがあるのが分かりますでしょうか?
ちなみに左側の側面にも同様の垂れジミが…
原因は強力な酸性洗剤で掃除した際に、つけ置き時間が長かったため、ステンレスがヤケてしまっています。
シンク左側。キレイに見えますが近くで見ると消えない水垢が付いています。
磨く前の反射する様子はこの通り。輝きは全然ありません。
しっかり乾いた状態で、ここで養生テープを使って飛び散らないようにマスキングします。
養生が少し甘いですが、これだけでも全然違います。
ハード・1-L 5982Mとサンダーバフ#600で研磨
インパクトドライバーの先端にパーツを取り付けます。
使用したのはこちら
先端パーツを取り付けたら、次にサンダーバフを付けます。
マジックテープなので取り外しも簡単です。
ご存じの方は気づいたと思いますが、実はここで重大なミスをしていました。
研磨剤を使うのに、さらに研磨用の600番のバフを使っています…
使用するハード・1-L 5982Mは番手で#2000なので、それよりも削れてしまう#600のバフを使う。
ということは研磨剤が無駄になっています…
作業時は削ることに夢中で、全然気づきませんでした。
研磨剤はペースト状でニオイはかなり控えめです。
さっそくインパクトドライバーで削っていきます。
削っていくとこのように、削りカスが混ざって黒っぽくなります。
作業してみると、思ったほど研磨剤が伸びず。つい多めに研磨剤を使ってしまい、飛び散ってしまいました。
底面全体を研磨し、側面も研磨してみると…
ドライバーの回転速度を早めてしまい、マスキングを飛び越えて壁に付着…
濡れたタオルで拭き取ればキレイに取れます。こうならない為のマスキングなのですが養生が甘かったです。
一通り磨き終わったので、水でしっかり流して拭き取ると想像していなかった事態に。
詳しい内容は最後のまとめで記載していますが、サンダーバフが原因でした。
磨きムラが遠目で見ても分かるくらい、盛大に失敗しています。
側面にあった酸ヤケの垂れジミ部分は、やや薄くなった感じです。
一番深く傷ついてしまったのは、底面と側面の真ん中です。
一応ですが反射具合が変化したか見てみると、全然変わらず…。
コンパウンドを使ったからといっても、実際は#600番のバフで削っているので仕方ないですね。
ハード・2-L 5985Mとフェルトバフで研磨
盛大に失敗し逆に汚れるというか、傷だらけに…
冷静になって考えて、ここで研磨剤と研磨パッドを合わせて使ったムダに気づきました。
とはいってももう戻れない。削るしかないためフェルトバフでさらに磨いていきます。
1回目の工程と同様に、研磨剤をハード・2-L 5985Mに変えて磨きました。
冷静になったつもりでしたが、思わぬ結果に動揺していたようで、ここでさらにミスを重ねています…
1回目はハード・1-L 5982M(#2000番)とサンダーバフ#600で研磨しているため、実際は#600番で削れている状態です。
次に使うハード・2-L 5985Mは#4000番なので、#600からいきなり#4000と細かくなり過ぎているため、十分な段階を踏んでいないことになります。
本来の削る番手の順は以下のように
- #600
- #800~1000
- #1200 ~1500
- #2000~
と徐々に目を細かくする必要があります。
ただ、作業時はかなり動揺していたので、このまま2回目を削っています。
1回目と同様に削って水で流し、拭き取った状態です。
やはり磨きムラは消えてませんね。
側面はこんな感じです。
特にキズが深かった部分は少しだけマシに…。
1回目よりはマシになりましたが、このままはマズイので結局手でしっかり磨くことに…
ここまでの反射状態はこんな感じです。
大失敗して、結局手磨き
こんなことなら始めから手で磨けば良かったと反省しましたが、時すでに遅し…
気を取り直して、地道に磨きなおしました。
まずは#600番のサンダーバフで、特にキズが付いた部分にコンパウンドを付けずに手で磨いてキズを馴らしました。
ハード・1-L 5982Mをフェルトパッドで手磨き
再度#2000番のハード・1-L 5982Mで磨きなおしました。
一通り研磨。インパクトドライバーと違って側面や曲面は手の方が断然作業しやすいです。
研磨後、水で流して拭き取ると以下のように、磨きムラは少し残っているものの、かなり消えました。
キズが深かった部分もこの通り。
側面の酸ヤケのシミは完全に消えています。
ハード・2-L 5985Mをフェルトバフで手で磨く
ここまでの反射は以下の状態です。次は#4000番のハード・2-L 5985Mで磨きます。
フェルトバフが1枚しかなかったため、水洗いしキッチンペーパーで水気を拭き取った状態で研磨しました。
#2000番のハード・1-L 5982Mの研磨剤が少し残っていると思いますが…
下記は磨き終わった状態です。
縦に細かい線が入っています。
ここまでのbefore・afterを見比べてみると
キズはともかく、輝きは増してるのではないでしょうか?
最終仕上げにピカールで研磨
番手にして#4000~5000のピカールでさらに磨きました。
ピカールには灯油が含まれているため、磨き始めると部屋中が灯油臭くなるので換気は必須です。
磨く際は専用のピカールクロスという布がいいのですが、持っていないので捨ててもいい布で拭き上げます。
油が入っているため、磨きやすさはピカールがいいですね。
下の写真は拭いた直後の状態です。
さらに光沢が出て、見栄えがマシになりました。
キズの深かった部分もピカピカです。
中央の縦に入った線だけは残ってしまいましたが…
ピカールの使用前よりは反射していると思います。
油分があるので水をかなり弾くため、灯油の成分をしっかり流すために、弱アルカリ性のJOYを使って念のため、2回水洗いしています。
ピカールを使用した際の布や、洗い流した際のスポンジはニオイが付いて、灯油成分が染み込んでいるので処分しました。
灯油のニオイが気になる方は、低臭タイプのピカールネオがおすすめです。
失敗した原因は2つ
今回失敗した最大の原因は、サンダーバフ#600番の使い方を誤ったことです。
そもそもインパクトドライバーでのヤスリがけ自体が難しく、力をかけ過ぎず、接地面から15℃傾けながら研磨する必要があります。また回転スピードに制限があるため全力でトリガーを引けないのでコツが要ります。
特に難しかったのが、曲面にバフを当てづらく高確率で深い傷が付きます。
対処方法は先端のバフはもっと厚みがあってスポンジのようなふわふわした素材でないとキレイに出来ないと思います。
このようなもの
※近日中に上記のアクセサリーセットを使ってリベンジします。
2つ目の失敗原因は、番手の段階を分ける必要があったことです。
今回研磨してよくわかりましたが、以下のような番手の順でやればピカピカに出来るはずです。
- #600
- #800~1000
- #1200 ~1500
- #2000
- #4000
- #4000~5000
まとめ:結局正しいやり方は何だったのか?
色々と失敗してわかったことですが、キッチンシンクを削る際は、2つ注意する必要があります。
1つは削る際の研磨剤や研磨シートなど、段階を分けた番手を用意すること。
丁寧にやるなら#600~#4000までで、5段階程度に分けて削っていくと良いと思いますが、#600
#1200 ~1500 #3000でも十分ですし、鏡面まではいかないですが、ピカールを使えばさらにピカピカになります。特に重要な2つ目は、キズを付けないようにすることです。
インパクトドライバーなどの電動工具を使う場合は、先端の素材がスポンジのように柔らかく厚みのあるものなら傷つくことは無いと思います。
また、手で削る際に気づきましたが、耐水ペーパーでは部分的に力をかけすぎて磨きムラになりやすいと思います。そのため手作業の場合は、耐水スポンジが最適なのではないでしょうか。
シンク磨きに興味がある方は、今回の失敗例を参考にしてピカピカのシンクに仕上げてみてください。