キッチンや浴室・トイレなど家じゅうに使える便利な重曹。
弱アルカリ性なので、軽度な汚れしか落とせませんが、ペースト状にすると研磨作用が働き洗浄力が増します。
また、ペースト状といっても、ジャリジャリやしっとりなど、水との割合によって異なるため、汚れの程度や部位に適した形状にすることが重要です。
- 重曹ペーストの作り方
- 水と重曹の配合目安
- 汚れの部位に合ったペーストの作り方
- 洗浄力を高める2つの方法
掃除以外にも、消臭効果や料理(食用タイプのみ)にも使えて低コストで購入できるコスパの良いアイテムなので一家に1つあると便利です。
食用タイプ(掃除にも使用可能)の重曹
掃除用の重曹。4つの効果
- 弱酸性の汚れを落とす
- 生ごみのニオイを消臭する
- 除湿効果がある
- 研磨作用がある
ドアノブに付いた皮脂や調理した際に飛び散った油などの、弱酸性の汚れに効果的です。
また、汗や生ごみのニオイを中和するため消臭剤として代用したり、吸湿性の高さを利用してクローゼットの湿気取りや、下駄箱の湿気取り・消臭として使用する方法もあります。
クエン酸と違って粉の粒子が細かく吸湿性が高いため、湿気の高い状態で放置すると固まってしまうため保管には注意が必要です。
湿気や消臭で使用した重曹を捨てるのはもったいないと思われる際は、掃除用として再利用も可能です。
重曹ペーストにする2つのメリット
垂れないので長時間汚れに密着できる
掃除の基本ですが、洗浄成分が長時間付着するほど汚れが落としやすくなります。
重曹水でスプレーするとすぐに垂れてしまい、十分な洗浄効果を得られませんが、ペースト状にすることでシンクの側面やコンロ周りの壁などにも密着します。
研磨しやすくなる
粒子が細かく素材をキズ付つけにくいため、研磨剤としてIHガラストップ面のコゲトリにも代用できます。
水を加える前の状態では、粉が散らばってしまうため、少量の水で固形化させて研磨しやすくします。
ペースト状なら研磨後はまとめやすいため、掃除後の片付けもはかどります。
重曹ペーストの作り方
重曹と水の配分を変えて、ペーストの固さを調整します。
準備するもの
- 重曹
- 水
- 混ぜる容器
- スプーンや使い古した歯ブラシ
- 丸めたラップ
しっとりペーストで広範囲に密着
混ぜる割合
- 重曹:大さじ3(45g)
- 水:大さじ1(15ml)
コップなどに重曹と水を入れて箸などで混ぜ合わせます。
しっかり混ざると少し硬いヨーグルトのような粘度になるので、スプーンや使い古した歯ブラシを使って塗り広げます。
丸めたラップでこすると効果的で、軽度な水垢なら十分に落とせます。
研磨を重視するならジャリジャリペースト
混ぜる割合
- 重曹:大さじ3(45g)
- 水:小さじ2(10ml)
IHのガラストップについたコゲには、粉に近いジャリジャリした状態で研磨します。
磨く際は、ラップを丸めてボール状にしたラップたわしを作り、円を描きながら磨くのがおすすめです。
粉の状態
と比べると、ややダマになる程度です。洗浄効果を上げる3つの方法
- 水ではなく、お湯で混ぜる
- 食器用洗剤を混ぜる
- 重曹を粉のまま熱する
以上の3つは油汚れやコゲを落とす際に効果的です。水垢にはほぼ効果がありません。
熱めのお湯を混ぜると熱の力が加わり、水で作るよりも油汚れやコゲが溶けやすくなり、やや効果が上がります。
同様に食器用の洗剤を少量混ぜることで、洗剤に含まれる界面活性剤によって汚れに浸透しやすくなり、洗浄力が増します。
入れる量は数滴~小さじ1杯程度で十分です。
混ぜる際は中性洗剤、もしくは弱アルカリ性・アルカリ性のタイプをご使用ください。
ペースト状にする以外に洗浄力を上げるには、重曹を粉の状態で加熱する方法があります。
重曹(炭酸水素ナトリウム)を加熱すると、二酸化炭素が抜け、炭酸水素ナトリウムになります。
炭酸水素ナトリウムから炭酸ナトリウムに変化するとPH値が変化(弱アルカリ性
アルカリ性)になることで、汚れが落ちやすくなる原理です。加熱方法は粉末状のまま鍋で1分程度加熱するだけです。
加熱時はステンレス製の鍋を使用ご使用ください。(フライパンの場合、表面のフッ素が痛む原因となります)
重曹ペーストの洗浄効果
フライパン裏に付いたコゲが取れるのか?ペースト状にして試してみました。
水の替わりに食器用洗剤を使用しました。
数多くある食器洗剤の中でも洗浄力が高いJOYがおすすめです。
割合は重曹大さじ3杯に対し、JOYを大さじ1杯で混ぜ合わせます。
食器洗剤は水に比べて粘度があるため、ペーストもやや固めになります。
フライパン裏に乗せて塗り広げます。
重曹大さじ3杯分も入れると、卵焼き用のフライパンなら十分な量が作れました。
丸めたラップで円を描きながらこすって、水で洗い流すと以下のようになりました。
全体的にやや薄くなったと思います。
洗浄前後を見比べると以下の通り
研磨剤の替わりとはいえ、粒子が柔らかいため若干効果がある程度です。
軽度な汚れなら十分取れますが、ここまで汚れた場合は強力なアルカリ洗剤で溶かす必要があります。
使用後の汚れを落とした洗剤は以下の記事で紹介しています。
まとめ:頑固な汚れは落とせないが、日常の汚れは十分取れる
掃除せずに放置した水垢や、コゲ付き汚れなどには効果が少ないですが、日々の生活で付着する汚れには重曹で十分効果があります。
そのため、汚れが蓄積する前にこまめな掃除をすることが大切です。
毎回重曹ペーストにして掃除しなくても、重曹水を作ってスプレーして拭き取るだけでも全然違うので、普段の掃除に使用してみてください。