浴室の壁に埋め込んで固定されたテレビ。液晶やカバーもキズ付きやすい素材のため、研磨剤は使えません。
ボタンを含め細かい凹凸は水垢が溜まりやすく、気が付くと頑固な汚れに…。
カバーを含め素材が黒色なので乾くとより水垢が目立つため、キレイにしようと思って念のため取説のお手入れ方法を確認。
販売元のメーカーによると、汚れがひどい際のお手入れ方法は以下の手順でやるとのこと。
- 水で薄めた中性洗剤を布にひたす
- 絞ってから拭き取る
- 柔らかい乾いた布で拭く
無理だとはわかっていても、一応手順通りにしましたが、全く変わらず…
ガチガチに固まった水垢なので中性洗剤で落ちるわけもなく、強力な酸性の洗剤を2種類使用してみました。
汚れの状態によっては1種類で済む場合もありますし、軽度の汚れならクエン酸でも十分かもしれません。
今回掃除した際のbefore・afterです
掃除方法によってはもっとキレイになったと思いますが…
反省点や失敗した内容を含めて、水垢を落とす掃除方法を紹介します。
水垢掃除にはなるべく研磨剤を使わず、洗剤で溶かす
水垢にはクエン酸が効き目がありますが、使ってみたものの、頑固な水垢には効果が弱くて思ったほど落ちなかったこともあるのではないでしょうか?
クエン酸以上の洗浄力を求めるなら、強力な酸性洗剤がおすすめですが使用する酸の種類や、研磨剤入りのタイプを使うと素材を傷めてしまうことがあります。
トイレ用の洗剤「サンポール」をキッチンシンクの水垢取りで紹介されていることもありますが、使い方を誤ると腐食によるサビや変色を起ことも…
また、研磨剤が入ったタイプは酸で溶かしながら研磨剤で削っていく分、汚れが落としやすくなりますが細かいキズが必ず付きます。汚れが落ちても細かいキズが付くため、以前よりも汚れが溜まりやすく、汚れが落としにくくなるデメリットもあります。
研磨剤入りの洗剤はどうやっても落ちなかった時の最終手段か、細かいキズが付いても気にしない方・既に研磨剤を使って掃除している方、以外はおすすめしません。
特に今回掃除した素材はキズが付きやすいため、研磨剤は使えません。
今回は強力な酸性洗剤を使用していますが、クエン酸をジェル状にすることで近い効果を得られるため、まずはクエン酸ジェルで試してみるのもありだと思います。
今回使用したもの
今回掃除で使用したのは以下の7つです。
- 水アカクレンジング
- キッチンペーパー
- ラップ
- 歯ブラシ
- スポンジ
- ゴム手袋
- カルシウム汚れ職人(不要の場合もある)
汚れの種類や度合いによっては、カルシウム汚れ職人は不要です。
クエン酸を使う場合や、他の強力な酸性洗剤を使用する際などは、成分を汚れに浸透させるために、キッチンペーパーとラップで湿布すると効果を最大限にできるのでおすすめです。
今回使用した、水アカクレンジングとは?
販売元は株式会社友和から販売されている酸性洗剤です。友和の代表的な商品は「超撥水コーティング剤弾き」や「アビリティクリーン」が有名です。
今回使用した水アカクレンジングには同じシリーズで「尿石・コゲ・浴室・換気扇」用の5種類あり、どれもスプレータイプの強力な洗剤です。
水アカクレンジングの内容液は300ml入っており、Amazonでは1,000円前後(旧品は850円前後)で販売されています。
2023年の夏にパッケージと薬液がリニューアルされており、成分表を見る限り新タイプにはスルファミン酸が新たに加わっているので、洗浄力がUPしているはずです。
研磨剤の入っていない、強力な酸性洗剤には似たようなものがたくさんありますが、他の洗剤との違いはスプレー噴射後はジェル状で広範囲に密着してくれます。
通常の泡が出る洗剤は、長時間汚れに密着させるために表面をラップしたりしますが、手間がかかって面倒ですが、水アカクレンジングなら湿布する必要がなく、掃除がラクにできてありがたいですよね。
強力な洗剤なので、使用方法は2~3分放置してスポンジで擦って水で洗い流す。とパッケージに表記されています。
長時間放置すると素材を傷めることがあるため、ご注意ください。
カルシウム汚れ職人とは?
最初に説明した水アカクレンジングには有機酸が含まれており、マグネシウム系の水垢汚れが落としやすい特徴があります。
ただし、状態によってはカルシウム系の水垢になっている場合があり、落としきれない場合はこちらのカルシウム汚れ職人を使用します。
非常に強力な酸性洗剤(使用した感じではサンポール並み)なので、洗剤をかけたらすぐにこすって水で流す必要があります。
カルシウム汚れ職人は下記の記事で使用しているので、気になる方はご覧ください。
水アカクレンジングでマグネシウム系の水垢を溶かす
水垢と呼ばれる汚れには種類があり、市販で購入できる洗剤の場合、実は1種類の酸性洗剤では落とせないことがあります。
有機酸が入っている水アカクレンジングは主に、マグネシウム系の水垢を溶かす能力に優れています。
石鹸やシャンプーに含まれる脂肪酸などの成分と、水に含まれるマグネシウムが化合してできた「金属石鹸」という物質
掃除前の状態
最もひどい汚れが右下の部分。水分が溜まりやすいこともあり、特に液晶とカバーの境目がガチガチになっています。
上面はうっすらと、水垢が付いています。
左下は右側に比べれば、少しマシです。
おそらく壁面側でシャワーから遠い位置にあるのが汚れが付きにくい理由かと思います。
ボタン回りにもガチガチな水垢が…
不具合で急遽、キッチンペーパーとラップで湿布
水アカクレンジングはジェル状なので、スプレーして放置しておこうと思ったのですが、今回使用したリニューアル前の商品(残りあと少し)を使ったところ、前回の使用時から1年近く経っていたため、ノズル部分が詰まって液剤が出ず…
仕方なく、トリガーを外してキッチンペーパーに染み込ませたものでラップを使って湿布しました。
ジェル状でない洗剤やクエン酸水などは参考になるかと思います。
商品の使用方法は2~3分待ってからスポンジで擦って、水で流す。とのことですが、汚れがひどいため約10分放置しました。
キッチンペーパーとラップを剥がし終わったら、不要になった歯ブラシなどで細かな部分を擦ります。
特に汚れがひどい部分は念入りに。
歯ブラシの後は、スポンジを使って全体をくまなく擦ります。
界面活性剤が入っているのでこのように泡立ちます。
「洗浄後の様子」水垢はどこまで落ちたのか?
全体の様子です。パっと見るとかなり落ちた感じですが、やはり頑固な水垢部分は少し残っています。
完全に落ちたわけではないですが、使用前よりかは汚れが取れています。
表面のうっすら付いた水垢や部分的に気になるところは、カルシウム汚れになっているので恐らくこれ以上は落とせません。
カルシウム汚れ職人でカルシウム系の水垢を溶かす
使用シーンを撮影し忘れたため、使用後のみになりますが、表面にうっすらと付いた水垢は完全に落ちました。
頑固な部分は水分が残っている状態で使用したため、完全に落とせず…
しっかりと表面が乾いた状態ならカルシウムが泡になって分解されます。
ちなみに気が付いたかもしれませんが、1枚目の上の部分はキレイに落ちているものの、全面のカバーにはうっすらと水垢が残っている状態です。
理由は液剤がしゃばしゃばなので垂れやすく、長時間放置すると素材を傷めてしまうことを恐れて、キレイに落とせた上部に垂らした洗剤を歯ブラシでそのまま塗り広げただけなので効果が十分に発揮しなかったと思われます。
汚れを落とすコツ・使用時の注意点
湿布することで汚れに洗剤成分を浸透させて溶かしやすくなりますが、水垢は「不溶性の固体」で油汚れとは違って、成分が染み込みにくいため、湿布するだけでは不十分な場合もあります。
例えば今回湿布を10分しましたが、5分経過後に歯ブラシやスポンジで擦って、剥がしたものを再度湿布するやり方が効果が高まります。
また、カルシウム汚れ職人などの汚れ以外に付けたくないような強力な洗剤の場合は布で拭き取りながらやるなどの工夫が必要です。
まとめ:つけ置き×物理にこすることが大事
浴室のテレビに付いた水垢汚れの落とし方について紹介してきましたが、頑固な汚れほど、丁寧に掃除する必要があります。
今回はやや手間を省いたり、水で薄まったりと正しい使い方が出来ていなかったため、部分によっては汚れが残る結果となりましたが、きちんと出来た部分はキレイに落とせました。
最も汚れていた部分を比較するとこんな感じです。
完ぺきではないにしろ、十分に汚れが落ちたのではないでしょうか?
しっかり落としたい方は、今回の反省を踏まえて掃除してみてください。
もっとキレイになると思います。
本記事で使用した洗剤です