サンポールは主成分である塩酸の力により、トイレの尿石を溶かすほどの洗浄力がある一方で、誤った使用方法により素材を痛める可能性があります。
特に近年ではYouTubeやインスタグラム等でお風呂場やキッチンシンクについた水垢を除去するアイテムとして紹介されており、正しい知識を持たないまま使用すると素材を痛めるだけでなく、健康にまで影響を及ぼす可能性があります。
そのため、サンポールはやばい。といった口コミを目にすることも…
この記事では、サンポールの正しい使い方や代替品の選び方、安全に使用するためのポイントを詳しく解説しています。
- サンポールがやばいと言われる理由
- サンポールの正しい使用方法と注意点
- サンポールが尿石や頑固な汚れに効果的な理由
- 長時間放置のリスクと安全な使用時間
- サンポールで錆は取れるのか?(メーカー非推奨)
- 浴室での安全な使用方法(メーカー非推奨)
- サンポールで溶ける物質と注意点
- 他の酸性洗剤や塩素系洗剤との比較
- 安全性の高い代替洗剤の選び方
- 使用者の口コミや評判
サンポールの特性を理解し、安全に掃除をしましょう。
サンポールが「やばい」と言われ6つの理由
サンポールが「やばい」と言われる理由は、以下の6つです。
- 塩酸による洗浄力の高さ
- 皮膚や目に付くと危険
- 塩酸特有の刺激臭がする
- 塩素系の洗剤と混ざると有毒ガスが発生する
- 素材を溶かしたり、変色・腐食させる可能性がある
- 古い配管の場合、腐食することがある
塩酸による洗浄力の高さ
サンポールがやばいと言われる1つ目の理由は、市販の高単価な洗剤や、業務用の洗剤にも負けないほどの強力な洗浄力の高さです。
強力な酸性の性質を持ち、トイレの黄ばみや尿石を溶かすために作られているサンポールは主成分となる塩酸が9.5%も配合されています。
公共施設等で日頃使用されている強力な業務用の洗剤が、塩酸配合率は9%前後ですので、比べると一般家庭用の洗剤なのに、どれだけ洗浄力が高いのか分かると思います。
また、安価でコスパが良いことからハウスクリーニングのプロも使用されていることもあります。
皮膚や目に付くと危険
サンポールを使用中に誤って皮膚に飛び散った場合、強い痛みや炎症を引き起こします。このため、使用時には必ず手袋や保護メガネを着用し、皮膚や目に触れないように注意する必要があります。
特に目に入ると重大な損傷を引き起こす可能性があり、直ちに流水で洗い流し、医師の診察を受ける必要があります。
- 目に入った場合: 直ちに流水で15分以上洗い流し、医師の診察を受ける。
- 皮膚に触れた場合: 石鹸と水で十分に洗い流し、異常があれば医師の診察を受ける。
特に子供やペットのいる家庭では注意が必要ですので、手の届かないところで管理しましょう。
塩酸特有の刺激臭がする
塩酸は塩化水素の水溶液で空気中の水分に反応することで、鼻の粘膜に刺激を与えます。
ツンとした、辛いような香りがします。
小学校の理科で塩酸にアルミニウムを溶かす実験などで、ニオイで気分が悪くなり、児童が搬送されたケースもあるため、換気には十分注意しましょう。
塩素系の洗剤と混ざると有毒ガスが発生する
サンポールを塩素系洗剤と混ぜると、有毒な塩素ガスが発生し、重大な健康被害を引き起こす可能性があります。
塩素ガスは吸入すると呼吸器に重大なダメージを与え、最悪の場合、命に関わる危険があります。
実際に塩素系洗剤と混ぜてしまい、有毒ガスが発生して緊急搬送されるケースは毎年発生しています。
また混ぜて使わなければ問題無いと、安易に考えることは注意しましょう。
十分に流しきれていない場合、成分が残ってしまうため、結果として有毒ガスが発生することがあります。
しっかり水で流しきるか、時間を置いてから使用することをおすすめします。
- 他の洗剤と混ぜて使用しない。
- 使用時には必ず換気を行い、有毒ガスの発生を防ぐ。
- 使用前に製品の注意ラベルをよく読み、指示に従う。
素材を溶かしたり、変色・腐食させる可能性がある
塩酸はクエン酸などに比べて、非常に強い酸であるため、誤って金属部分にかかると酸ヤケや、腐食させることがあります。
その他に、ステンレスや樹脂、大理石などで同じように使用すると、酸焼けしたり、溶けてしまうことも…。
近年トイレ以外での使用を紹介されていることが多く、危険でトラブルが起こっているため、メーカーのホームページでは以下のように注意を促しています。
《サンポールは正しくお使いください》
《サンポールは正しくお使いください》
いつもサンポールをご利用いただきありがとうございます。
近年、サンポールを用途外の目的で使用している動画や記事などがWEB上で見られます。これは、タイルや樹脂、金属・大理石等の素材をいためたり変質する可能性もある間違った使用法です。
当社では推奨できないばかりか、安全性も保障できません。
絶対に真似をされないようにお願いします。
サンポールは便器(陶器)内のガンコな汚れを落とす、塩酸を使用した酸性の洗剤です。
ご使用の際は[使用上の注意]をよく読んでお使いいただく必要があります。
また、「まぜるな危険」と表記があるように、塩素系の製品と一緒に使うと有害なガスが発生します。
誤使用による危険も想定されますので、トイレ用洗剤として正しくお使いください。
お風呂掃除には「お風呂用ティンクル すすぎ節水タイプ」をお勧めいたします。
キンチョーHPより引用
サンポールは強力な洗浄力でトイレ掃除において効果的な洗剤ですが、使用方法を誤ると重大なリスクを伴います。安全に使用するためには、以下のポイントを守ることが重要です。
- トイレ掃除にのみ使用し、他の場所での使用は避ける。
- 使用時には手袋や保護メガネを着用し、皮膚や目に触れないようにする。
- 他の洗剤と混ぜない。特に塩素系洗剤は注意。
トイレ以外での使用は用途外になるため、自己責任となります。
古い配管の場合、腐食することがある
サンポールの使用によって配管が痛む可能性があるため、注意しましょう。
サンポールの主成分である塩酸は、非常に強力な酸であり、金属を腐食させる性質があります。
そのため、特に古い配管や傷がついた配管は腐食作用が顕著に現れ、配管を痛める原因となります。
また塩酸が配管内部の金属を腐食させると配管の寿命が短くなり、漏水や破損のリスクが高まります。
サンポールが溶かすものとは?
サンポールの主成分である塩酸は、特定の無機物質、特にカルシウム系の汚れ(尿石や水垢)を効果的に溶かす能力があります。
塩酸がカルシウム化合物と化学反応を起こし、溶解させるためです。
ただし、金属や一部のプラスチックなどには強い腐食性を示し、素材を損傷させる危険があります。
以下はサンポールで溶かせるものです。
- 尿石
- 水垢(全ての水垢が溶けるわけではない)
- コンクリート
- カルシウム化合物
- 金属製品、大理石(人造含む)ステンレスは変色しやすい。
サンポールの正しい使用方法
サンポールを使用する際は安全面に気をつけ、正しい手順を守って使用しましょう。
ここではトイレ内での正しい掃除方法についてまとめています。
便器内の掃除手順
- サンポールを便器のフチに一周かける(1回2押し。約20mL程度の原液)
- そのまま2〜3分ほど放置する
- トイレ用ブラシでこする
- 水を流す
トイレのタイルへの使用方法
タイルや床にサンポールを使用する際は、薄めて使用することで素材を傷めずに汚れを除去できます。
原液のまま使用すると、タイルや床の素材を傷める可能性があります。
- サンポールを水で薄める(水100mlに対し、サンポール2押し)
- 汚れたタイルにトイレットペーパーを敷き、その上から薄めたサンポールをかける(1m2当り5mL使用)
- 2〜3分放置する
- トイレットペーパーを取り除き、タイルを水拭きする
サンポールの代替品や、他の洗剤との比較
洗浄力の高いサンポールですが、汚れの種類によっては他の洗剤が適していることもあります。
ここではサンポールの代用品や、他の洗剤との比較についてまとめています。
サンポールの代用品
同じ酸性の強力な洗剤ではライオンの「トイレのルック 除菌消臭EX」があります。
サンポールとは違い、塩酸の代わりにスルファミン酸が入っているため、刺激臭が気になる方はこちらがおすすめです。
スルファミン酸は塩酸や硝酸と同じ「無機酸」の中でも高い溶解力がありながら、刺激が低い性質をもつため、ツンとした匂いがありません。
それ以外には、やや高価になりますが、允セサミのトイレ職人などもおすすめです。
塩酸や硝酸は金属を変色・腐食させてしまうデメリットがありますが、トイレ職人は金属や対象物を損傷・変色させず、塩酸以上に強力な酸を使用しているため、放置しても安全なのでつけ置き可能なので、より汚れが落としやすくなります。
他の洗剤との比較
トイレ用洗剤といっても便器内の尿石や黄ばみ・黒ずみ以外に、壁や床に付いた汚れを落とす洗剤など数多くあります。
そのため逆の性質を持つアルカリ性の洗剤も多々あります。
また、軽度な汚れには中性洗剤で十分汚れが取れます。
便座カバーや床などには、中性の「ウタマロクリーナー」や「まめピカ」などがおすすめです。
まめピカはトイレットペーパーがボロボロにならずに拭き取れて、そのままトイレに流すことができるので気軽に拭き取ることができます。
便器内の黒ずみ汚れには塩素系がおすすめ
尿石や黄ばみには、塩酸やスルファミン酸などの強力な酸性タイプが効果的ですが、黒ずみには塩素系の洗剤がキレイになりやすいです。
ただし、酸性の洗剤と混ざると有毒ガスが発生し、併用は危険ですのでご注意ください。
以下は塩素系洗剤の例です。
洗浄力・価格面で最もコスパが良いのはユニリーバの「ドメスト」です。
ジョンソンからは「スクラビングバブル」がトイレスタンプなど黒ずみを付きにくくするための洗剤と合わせて活用すると便利です。
以上の塩素系(アルカリ性)の洗剤も汚れに合わせて選びましょう。
サンポールがやばい?口コミまとめ
よくある質問(FAQ)
サンポールを長時間放置しても大丈夫?
便器内の陶器であれば放置しても特に問題ありませんが、サンポールのニオイがトイレ内に充満するので、なるべく放置しないほうがいいでしょう。
適切な放置時間は2〜3分程度で、その後必ず水で十分に洗い流すことが重要です。
注意したいのは、便座カバーのプラスチック面やウォシュレットの金属部分にサンポールが付いたまま放置していると、プラスチックが溶けたり、金属面が腐食するので万が一ついた場合はすぐに拭き取りましょう。
また用途外で使われることが多い、キッチンシンクのステンレス部分などの金属面は、数十秒で完全に水洗いしないと変色するためご注意ください。
サンポールで錆取りは可能?
サンポールは錆取りには推奨されません。塩酸成分が金属をさらに腐食させるリスクがあるためです。
塩酸成分は金属の錆を一時的に除去することができますが、その後の腐食を促進する可能性が高いため、錆取りには、専用の錆取り剤を使用する方が安全で効果的です。
自転車の錆びた部分など一時的に錆は取れるものの、成分が残っていると再び錆が発生し、金属部分がさらに脆くなることがあります。
錆取り剤が無く、どうしても汚れを取りたい場合は、水で洗い流すだけでは不十分なため、アルカリ性の洗剤で中和すると少しはマシになります。
浴槽やシンクで使用するとどうなる?
原則、メーカーでは非推奨の部位になるため、自己責任になります。
YouTubeでシンクの水垢を溶かして、ピカピカになったと紹介されていますが、掃除の素人が行うと高確率で酸ヤケを起こし、変色します。
メッキ部分は比較的、酸ヤケを起こしにくいですが、ステンレスはしっかり水で洗い流しても変色することがあるため、ご注意ください。
正しく使用すれば、サンポールはやばくない
この記事では、サンポールの効果的な使用方法や注意点、代替品との比較、そして使用者の口コミや評判を紹介しました。
サンポールの使用に関しては、適切な知識と注意が必要です。
特に長時間放置しないこと。
金属や配管に対する腐食リスクを理解すること。
またサンポール以外の代替品を適切に使い分けることで、より安全かつ効果的に掃除を行うことができます。
- やばいと言われる理由は塩酸による洗浄力の高さ
- 皮膚や目に付くと危険
- 塩酸特有の刺激臭がする
- 塩素系の洗剤と混ざると有毒ガスが発生する
- サンポールは尿石や頑固な汚れに効果的だが、長時間放置はNG
- 古い配管の場合、腐食することがある
- 浴室・シンク等での使用は自己責任。変色リスクが高い。
- サンポールは錆取りには適しておらず、専用の錆取り剤を使用すべき。
- 尿石以外にサンポールで溶けるものは、金属・コンクリート・樹脂・大理石など
- 便器内の黒ずみには、塩素系漂白剤(アルカリ性)が効果的
- 正しく使えば、やばくない